★4.8という圧倒的高評価に惹かれてプレイ。シナリオだけなら★3.5ぐらいはあるのだが、システムの不便さと演出のくどさが重なりシナリオに集中できたもんじゃない。
シナリオの評価に関しては他のレビューが好意的に語ってるのでここでは割愛。あえて言うなら往年の名作がちらつく程度には既存作の焼き直し感がある。「はじめてのサスペンスSF」としてはまあまあ良作、なのだろうか。
まずはシステム。マップ内をタップ&フリックで操作するよくあるRPGなのだが、オブジェクトと狭い通路の判定が中々にシビア。そもそも探索シーンは全くなく、登場人物に指示された通りにマップ移動するゲームだからマップ移動パートの存在意義を感じない。
会話が作品の8割を占めるゲームなのに、会話中はセーブ不可というのももはやギャグである。章の間にはオートセーブが入るから許容範囲内なのだが……この幕間こそが本ゲーム一番のイライラポイントである。
次に演出。というより幕間そのもの。本ゲームは約40+αの章があり、個々の章は5~8分程度の短い話で構成されてる。恐らくスマホゲーであることを踏まえ、隙間時間にプレイしてもらうことを視野に入れた上での仕様だと思われる。この仕様自体に文句はないのだが、この仕様に伴う演出がびっくりするほどくどい。
ざっくり説明すると章の終わりで意味深なセリフを吐く→章タイトル→セーブ・広告→次の章という流れになっている。これがプレイ時間3,4時間の間に約40回、5~8分毎に挟まれる。意味深なセリフも衝撃展開といったものでもなく、なんとなく予測はできてたなレベル。一部にはブラフもあり、取って付けたようなセリフもちらほら。こいつらどんだけ他人に秘密隠してんだよ、お前の決意はなんなんだよとツッコミが絶えない。
ノベル形式にして個々の章を長く取る、これだけでどれだけの不満点が解消できただろうか。システムと演出が駄目だとシナリオに支障が出る良い例である。